ACHONDRITE (エイコンドライト)


Norton County


Luotolax


Norton County
(Black)


Millbillillie


Khor Temiki


Camel Danga


Johnstown


Kapoeta


Cumberland Falls



成分の編成と構造が、地球の石とよく似ているエイコンドライト。なんの変哲もない石のようでも、最も複雑な過程をとおって形成された隕石。ほとんどのエイコンドライトは、天体内部で解けているマグマから結晶化した石の破片であり、地球の火山で作られる最も一般的な溶岩の『玄武岩』に化学的に似ている。


玄武岩は、肉眼で確認できないほど小さい結晶でできているため、ただ黒く特徴のないものに見えることが多い。玄武岩の固形化が地球内部で起こると、冷却速度が遅いため結晶は大きくなる。エイコンドライトの結晶のサイズは、惑星もしくは天体内部でやや遅い速度で冷却されたことを示している。一般的に、エイコンドライトはコンドライトのような構成で、惑星もしくは天体の表層で解けたものから形成されたと考えられている。化学的成分のヴァリエーションも多い。


惑星や天体は、形成後すぐに内部からの加熱で部分的な溶解を起こす。これは今日でも地球の火山で起きていることだが、惑星においては44億年前、月においては29億年前、火星においては10億年前に終わったことである。石質鉱物、金属、硫化物の基礎的混合物が加熱されると、液体が発生する。濃く金属の多い液体は沈んでいき、惑星や天体の核を形成する。石質の液体は浮かび上がって固形化し、カルシウムとアルミニウムが豊富な火成岩となる。残された石質物質は、カルシウムとアルミニウムに乏しいが、鉱物のカンラン石にみられるマグネシウムに富んでいる。固形化した液体とその残りは、「玄武岩のエイコンドライト」という隕石に代表される。


玄武岩のエイコンドライトはハワーダイトと呼ばれ、天体の表面にある土壌の塊であり、壊れた結晶や火成岩の破片から成っている。ハワーダイトの構成は、数億年前の衝撃による圧縮と断片化を示している。


ハワーダイトは、その粒子が太陽風によって爆破されていることから、大気のない天体を母体とすることが分かっている。太陽は単に光を放つだけでなく、内部エネルギーを巨大な威力と粒子を従う太陽風として外に向かって噴射している。地球の大気はバリアの役割を果たすので、太陽風の粒子が地上に到達することはない。しかし、ハワーダイトは太陽からの粒子でひどく破損されているため、大気のない母体の表面にあったと考えられる。太陽風による破損は、月の表層の土壌中にある粒子に見られると予測され、1969年の最初のアポロ月面着陸でのサンプルに期待が寄せられていたが、その数ヶ月前に地球上のハワーダイト中に発見された。


ハワーダイトの中には35〜40億歳のものがあり、太陽風による破壊がその頃に起きたものであることが分かる。そのことから、太陽系で現在の放射エネルギーを有する環境に似たものが当時もあったことが予想でき、太陽が当時からあまり変わらない状態に在ることが分かる。


エイコンドライトには、火星と月の隕石が含まれる。現在確認されている隕石の中には、月起源の隕石が12、火星起源と思われるものは8(内4は落下が目撃されている)存在する。それらは、SNCという特別なグループ(SはShergottite、NはNakhlite、CはChassigny)に区分される。


ほとんどの隕石は、母体であった小惑星が44億年前までに火山活動を停止したことを示している。それなのに、SNCが火成岩であるというのは、それらが12〜13億年前の衝撃によるクレーターの下で溶解した物質からできたものであることの証拠なのだ。それまでにもし溶解化が完全となっていたら、それ以前の記録は消し去られてしまう。


地球におけるそのような完全な溶解は、直径何十キロメートルにも及ぶ巨大なクレーターの下でしか起きていない。それが小惑星であったら衝撃によって粉々になってしまうはずであるから、SNC隕石は大きな母体からのものでなければならない。もしくは、SNCが12〜13億年前に火山岩が結晶化してできたものと考えるしかない。その場合、その母体は月よりも大きく、長い活動期を送っていなければならない。たとえば、地球のように今だ活動中で、内部で溶岩を作り出せるほど高温な惑星ということだ。


以上のことから、月と一定の惑星はSNC起源の母天体から排除される。条件を満たすある特定の惑星だけがSNCの起源であることが分かったが、可能性として火星が挙げられる。SNC隕石から窒素が発見され、それが大気中のものよりも重く、1976年のVikingによる火星探索で測定された大気に酷似ていたことから、火星が起源となる惑星として考えられた。CALCIUM-RICH(カルシウム多)に火星の隕石を紹介しているので、ぜひ見て欲しい。


また、月の石はアポロ計画で持ち帰られたものがNASAに保管されているが、民間にも月の隕石が保有されている。それらは、NASAのデータと比較した結果、月の石と確認されたもので、Lunar類として他のエイコンドライトから区別される。当然、Lunarは、極めて貴重な隕石で、非常に高価なものである。月の隕石に関しても、CALCIUM-RICH(カルシウム多)に紹介しておいた。
SNC、Lunarともに、メテオハンターとして有名なロバート・ハーグ氏から譲り受けたもである。

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