IRON (鉄隕石)







発見隕石(人知れず落下し、地上に放置されたままになっていたものが発見された場合の呼名)の大部分は、鉄隕石に占められる。鉄隕石は雨風による風化に強く、地球上の石と明らかに外観が異なるため人目に付きやすいというのが、その理由である。その一方、落下が目撃された隕石のうち、鉄隕石は5%しかない。ということは、落下が目撃された鉄隕石の方が、貴重性が高いということになる。


鉄隕石は、メインとなる鉄・ニッケルの合金と少量の鉱物で構成されている。ほとんどの鉄隕石は、重さで言うと7〜15%のニッケルを含む。室温ではこのような鉄・ニッケル合金の鉱物は形成されない。超高温から冷却される過程において、内部編成が2つの鉱物による合金へと変化する。それがウッドマンステッテン構造と呼ばれる内部構造で、705℃以上からゆっくりと冷却されると形成され、ほとんどの鉄隕石に見られる。


ウッドマンステッテン構造は、タエナイトとカマサイト(両方とも溶解した金属が1370℃以下に冷却されたときに発生する)と呼ばれる鉱物の編成によって現れる。金属の溶解度から温度が下がり続けると、タエナイトの角にカマサイトが発生し、美しい模様のウッドマンステッテン構造をもつこととなる。合金のニッケル含有量が7〜15%のときにだけウッドマンステッテン構造が見られ、15%以上のニッケルを含むときにはカマサイトを肉眼で確認するのは不可能である。また、ニッケル含有量が7%以下になると、カマサイトのみが見られる。このように、ウッドマンステッテン構造には厳しい条件があるのに、鉄隕石のほとんどにウッドマンステッテン構造を見ることができるのは、鉄隕石のほとんどが7〜15%のニッケルを含むものであるからだ。


ウッドマンステッテン構造をもつためのもう一つのキーは、冷却がゆっくりとすすむことにある。溶解部分が惑星の外層に包まれていることで熱の発散が妨げられ、冷却が非常にゆっくりとすすみ、ウッドマンステッテン構造をつくる様な結晶化が起きるのである。ちなみに、地球上では重力がある関係で二つの層に分かれてしまうため、人工でつくることは難しいと考えられている。


ほとんどの鉄隕石は、本来完全な溶解物で、天体の核で形成されたものである。
鉄隕石の分類は化学的要素によるもので、ニッケルやその他の要素は500種の金属に分けることができ、その比率をグラフで示すことによって86%の隕石は13の群に分けることができる。13の群は鉄の化学的グループに属するもので、それぞれは化学的に異なる環境であると考えられることから、13の群は13の母天体と考えることができる。

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