TEKTITE (テクタイト)


Australite
年齢77万年
オーストラリア
ウェストオーストラリア州で発見



Darwin Glass
年齢75万年
オーストラリア
タスマニアで発見



Aouelloul Glass
年齢3.1百万年
モーリタ二ア回教共和国の隕石クレーターで発見



Moldavite
年齢14.8百万年
チェコ共和国で発見

Indochinite
年齢約80万年
タイ王国または
ベトナム社会主義共和で発見


テクタイトに対する現在の一般的な見解は、地球外物質もしくは構成物質が地球を起源としながらも形成は地球外で起きたと考えるものである。テクタイトは隕石と考えられがちだが、隕石と区別されるべきものなのだ。なぜなら、ほとんどの隕石が少量の鉄・ニッケル合金を含む石の塊で、地球上の石とかけ離れた鉄・ニッケル合金でできているのに対して、テクタイトの成分はガラスであるから。


テクタイトは、世界でも東南アジア、オーストラリア、アフリカの象牙海岸、チェコスロバキア、北アメリカの四カ所の地域でしか見つかっていない、神秘の石。その存在は3万年も前からクロマニョン人などに知られていながら、科学的には、1900年に鉱物学者のF. E. Suess が 'tektos' (ギリシャ語の意:溶けた) にちなんで『テクタイト(tektite)』という名前を付けたことで、やっと知られるようになった。


最初にテクタイトの実態を説明しようと試みたのは、18世紀のボヘミア人だった。ガラス職人として有名だった彼らは、当然、テクタイトを人工のガラスとして扱った。19世紀に入ると、人工であることに疑いをもつ説が現れ、火山噴火に関連していると考えられるようになった。


進化論で有名なチャールズ・ダーウィンが、ビーグル号でシドニーを訪れた1836年の記録によると、長年テクタイトを知っていた土着民が、ダーウィンにテクタイトを紹介したという。それは、Obsidianと呼ばれる不思議な形をしたものだった。ダーウィンは、当時の有力な説と同様に、それを火山によってつくられた天然ガラスであると考えた。


未だに解明されていないテクタイトの実体の謎。ひとつだけ言えるのは、生成過程のどこかで大気を高速で通過したということ。そのポイントは、テクタイトの様々な形が、一度大気圏を出て地球に戻ったことを証明する跡である、という考え方だ。20世紀以後の理論のほとんどは地球外起源のもので、月の火山説、地球に隕石が当たってできた説など、とても大胆でおもしろいものばかり。完全な説明をみつけるここと、それは今でも私たちの手に残されている。考えれば考えるほど、その謎の迷路にはまってしまう。これこそ、『神秘の石』テクタイトの魅力なのだ。

<< 主要隕石分類早見表